会社設立

(『終活まるごとパッケージ』オプション)

  1. 会社設立(『終活まるごとパッケージ』オプション)
近藤 慎

個人と会社(法人)との様々なルールの違いを利用することで、より有利になったり、ご希望に添いやすくなるケースがあります。

なぜ、会社設立? 

たとえば収入がある資産を持っている場合は、財産を個人で所有するのではなく、会社を作って資産を保有することで、事業承継のやりやすさなど、事業の継続性を高めることができます。
税金の対策などの具体的なメリット・デメリットを考慮しながら、判断することが重要です。

(税務については税理士と相談することが必要です。必要に応じてご紹介いたします)

会社設立(法人成り)の具体例

個人事業主(アパート経営)のケース

現状(個人事業主の場合)
➡ 親が所有するアパートからの収益が年間1,000万円ある場合、所得税が最大45%かかる場合があります(注1)

法人化した場合
➡ アパートの収益を法人に移し、親を代表取締役として役員報酬を支払うことで、上のケースと同じ場合なら、法人税(23.2%)に抑えられます(注2)
また、役員報酬は経費となるため、節税効果が期待できます。

(税務については税理士と相談することが必要です。必要に応じてご紹介いたします)

(注1)(注2)税率は令和7年3月現在の一例。

会社設立(法人成り)の
メリット

節税効果

法人化することで、所得税ではなく法人税が適用されます。
個人事業主の所得税は所得が高くなるほど税率も上がる「累進課税」ですが、法人税は所得税に比べて税率が一定です。

また、以下のような節税の方法もあります:

  • 役員報酬➡法人の利益を役員報酬として支払うことで、法人の利益を圧縮できる。
  • 経費の幅が広がる➡法人では役員報酬や生命保険料など、経費として認められる項目が増えます。
  • 家族への給与支払い➡家族を役員にして給与を支払うことで、所得分散が可能。

社会的信用の向上

法人は、個人事業主よりも社会的な信用度が高いと見なされることが一般的です。

そのため、以下のような場面で有利になります:

  • 銀行から融資を受けやすくなる。
  • 大手企業との取引がしやすくなる。

リスク分散

法人は個人とは別の存在(法人格)とみなされます。
そのため、事業上の借入や債務が発生しても、原則として(個人が法人の債務を保証しない限り)法人の資産だけが責任を負う形になります(有限責任)。
これにより、個人の財産が守られる可能性が高まります。

相続や事業承継が
スムーズ

法人化して、株価の低いうちに会社の株式を後継者に譲渡することで、スムーズな事業承継が可能です。
個人事業のままでは不動産や借入金を相続する際に、相続税や分割方法でトラブルになる可能性があります。

経費計上の柔軟性

法人の場合、個人事業主よりも経費として認められる範囲が広がります。

例:役員報酬・退職金・法人契約の生命保険料や福利厚生費用など

会社設立(法人成り)の
デメリット

設立や維持費用がかかる

法人設立には初期費用や維持費が必要です。

税務手続きや会計処理が複雑になる

法人化することで、法人税や消費税の申告、役員報酬の源泉徴収など税務処理が複雑になります。

自由度が低下する

法人では、会社の資金をプライベートで自由に使えません。

経営判断や資金の使い方に一定のルールが必要になります。

社会保険の手続き・
社会保険料の負担

法人化すると、代表者や役員も厚生年金や健康保険に加入する義務があります。

そのため、負担と手続きが増えます。

個人事業主として国民健康保険や国民年金に加入していた場合よりも負担が増える可能性があります。

利益が少ないと
メリットが薄い

法人税の節税効果は、一定以上の利益がある場合に有利になります。

年間の利益が少ない場合(目安として500万円以下)だと、法人成りの手間やコストに見合わない可能性があります。